今知っておくべき眼の病気

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福ビル疋田眼科医院

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今知っておくべき眼の病気

早期発見 + 早期治療 が眼の健康を守ります。
気になる症状をそのままにせずに、お早目にご相談ください。

失明ランキング

第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
緑内障 糖尿病網膜症 網膜色素変性症 黄斑変性症 強度近視

緑内障

緑内障は失明原因第1位の病気です。
気づかれることなく密かに進行するもので、
サイレントキラーと呼ばれる病気です。

緑内障とは
眼中で、眼の機能を維持するために必要な房水という栄養水が毛様体で産生され、房水が眼の外へ排出される出口があり、そこを前房隅角の線維柱帯と呼びます。
正常な人では、房水の産生量と排出量のバランスがうまくとれ、一定の眼圧(眼の硬さ)が保たれています。房水の産生場所から出口までの間で、何かの原因で通過障害が起きると産生量が排出量を上回り、房水が眼の中に過剰に貯まっていくと、眼圧が上昇します。

房水の流れを表した画像 眼圧のかかり方を説明した画像

高くなった眼圧は視神経乳頭(眼内にある視神経の頭部)を圧迫し、視神経線維を障害します。
物を見るために大切な視神経線維が一定以上減ると、その障害部位に一致して、視野の中に暗点(見えない部分)ができ、放置すると視野が次第に狭くなっていく病気です。

サイレントキラー・緑内障

緑内障は失明原因、第1位の疾患です。緑内障の初期~中期までは、視野(見える範囲)が欠けていっても、自分では非常に気づきにくい、という厄介な特徴があります。緑内障は気づかれることなく密かに進行し、ようやく気づいたころには、視野が非常に狭くなっていることが少なくありません。
緑内障の疫学研究よると「緑内障患者の90%の人は、自分が緑内障だとは知らず、無治療のまま過ごしている。」そうです。検診や眼科で偶然発見されなければ、緑内障であることに気づかず、末期近くまで放置してしまうことになりかねません。

緑内障の頻度

緑内障の人の割合は、40歳以上では20人に1人、年齢と共にその割合は増え、
70歳 以上で13人に1人、80歳以上では5人に1人といわれています。

緑内障の種類

いろいろな種類の緑内障がありますが、よく使うのは以下の分け方です。

症状の進行速度による分類
慢性緑内障、急性緑内障
前房隅角の形による分類
開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障
眼圧の程度による分類
高眼圧緑内障、正常眼圧緑内障

「緑内障にかかると失明してしまう」というのが一般的なイメージです。
しかし
早く発見して適切な治療を受ければ大部分の失明を防ぐことができます。

緑内障の治療目標

緑内障の治療には限界があります。残念ながら、一度障害された神経線維はどんなに治療をしても、元に戻りません。治療目標は、「今の状態をできるだけ保っていく」ことや「病気の進行速度を遅らせる」ことになります。

早期診断・早期治療が大切です。

早期診断するには

緑内障は自覚症状が出にくい病気なので、早期診断するには「眼の検診」が大切です。 しかし、通常の眼底検査や視野検査だけで極早期あるいは早期緑内障を発見するのは難しいのです。
早期発見するには、肉眼検査で分かりにくい視神経乳頭や神経線維のわずかな異常を精密な解析検査で検出することが必要です。 そのような解析検査で前視野障害期緑内障(視野異常がまだ出ていない時期の極早期緑内障)の状態で診断できることもあります。

左は凹部で神経線維が脱落したステレオ眼底写真、右は楔形の黒い部で神経繊維欠損したレッドフリー眼底写真 左は解析で神経線維が菲薄化したCT検査の画像、右は肉眼ではわからない菲薄部のカラー眼底写真

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障の進行速度は非常に遅く、気づきにくいという特徴があります。まず視神経乳頭(視神経の頭の部分)に緑内障特有の形状変化が起きます。次に網膜の表面を走行する網膜神経線維が減少(網膜神経線維束欠損)します。しかし、神経線維が減少しても、すぐに視野異常は出ません。この視野異常がまだ現れていない状態を前視野障害期緑内障といいます。この状態から5~10年経って、ようやく視野障害が出てきます。視野障害は徐々に拡大・進行しますが、生活に支障が出るまでには、さらに20年~30年かかるといわれています。

緑内障のうち80%は正常眼圧緑内障です;。

正常眼圧緑内障の危険因子

正常眼圧緑内障は以下の危険因子を持つ人がなりやすいといわれています。

  • 近視の強い人
  • 眼圧(眼内の圧力)に対して脆弱な視神経(サイズが大・小の視神経乳頭、先天的に未発達な視神経)
  • 血液循環の悪い人(低血圧、冷え症、片頭痛)
  • 糖尿病や自己免疫疾患などの人

近年、近視や糖尿病の人が増加しています。近視の程度が強ければ強いほど緑内障になりやすいといわれています。このような危険因子を持っている方は、積極的に緑内障検診を受けられるとよいでしょう。

開放隅角緑内障

比較的中年に良く見られるもので、水の出口である隅角にある排水路自身が目づまりを起こして水が外へ流れにくくなることで眼圧上昇を生じる病気です。
治療法は点眼薬で視神経乳頭を圧迫している眼圧を下げることが治療の基本です。手術が必要になるのは、点眼治療で十分眼圧を下げることができない場合や視野の悪化を抑えられない場合などです。点眼治療で眼圧が下がっても、点眼を中止すれば、ふたたび眼圧は上昇します。
緑内障を悪化させないためには点眼治療を一生続けることが必要です。

閉塞隅角緑内障

急性型と慢性型があり、水の出口である隅角が狭いために起こる緑内障です。
治療法は手術療法が第一選択になります。早期であればレーザー手術や白内障手術などの外来手術で眼圧を下げることができます。

治療の問題点

緑内障の患者さんの中で、治療を中断してしまう方が案外多いようです。調査によると、治療を自己中断している人が30%~40%もあるそうです。
何故、このようなことが起きるのでしょうか。

緑内障は初期や中期でも病気の自覚症状があまりないので、自分が病気だという意識がとかく希薄になりがちです。しかし、病気は治療を中断している間も、密かに進行していきます。一旦、障害された神経線維は、もはや回復することはありません。視野異常がまだ出ていない時期でも神経障害は進んでいきます。

近視の強い人では、視力に大切な神経線維(黄斑神経線維束)が先に障害されることがあります。このような方が治療を中断してしまうと、早期に視力低下が起き、仕事や生活に支障をきたす恐れがあります。
このような不幸なことが起きないようにするには、日々の治療をきちんと継続することが非常に
大切です。

慢性的に経過する病気

自覚症状が出にくい特徴があり、中には放置すると重篤な視力障害につながる病気もあります。慢性に経過する病気は失明原因の上位を占める病気が多く、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性や強度近視などの病気があります。

糖尿病網膜症

日本人の3~4人に1人は糖尿病予備群および糖尿病といわれ、非常に多い病気です。

糖尿病網膜症は失明の危機が迫っても、視力が良好なことが多く、発症になかなか気づきません。

見え方が良いから安心していいという訳では決してありません。糖尿病になったら定期的に眼科を受診して眼の状態をきちんと評価してもらうことが大切です。

糖尿病網膜症の進行

単純網膜症→前増殖網膜症→増殖網膜症と進行していきます。増殖型になると硝子体出血、網膜剥離や血管新生緑内障などにより、失明が起こりやすくなります。治療は、増殖型に進行しないようにします。このためにはまず、血糖コントロールが何よりも大切です。増殖型に進行するような眼にはレーザー治療を行って悪化を防ぎます。

良い状態から進行していく様子を4枚の写真で比較

糖尿病黄斑浮腫

糖尿病で弱くなった血管からは、血液中の液成分が漏れ、視力に重要な黄斑部網膜に浮腫が起こることがあります。単純網膜症や前増殖網膜症の時期でも黄斑浮腫があると視力障害が起きます。眼科的治療はレーザー治療、薬剤の眼周囲注射、硝子体内注射や硝子体手術などを行い、浮腫を減らすようにします。

黄斑浮腫、黄斑樹種のOCTsy件、格子状光凝固の画像

加齢黄斑変性

モノを見るときに重要な働きをする黄斑という組織が、加齢とともに異常をきたし、視力の低下を引き起こす病気のこと加齢黄斑変性と言います。比較的進行の遅い「委縮型」と急速に進行する「滲出型」とがあります。加齢黄斑変性は病変が黄斑部にあるため1度障害されると、視機能が完全に回復することが難しく、予防や早期発見が非常に大切です。視力低下や歪視の少ない前駆病変の段階で予防できれば理想的です。

左は萎縮型の画像、右は滲出型の画像

<予防法>

視細胞などの網膜外層が活性酸素で傷つけられることが病気の発症に関連しています。活性酸素の発生を促進させる原因には喫煙、紫外線、大気汚染、ストレスや偏食などがあります。青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は加齢黄斑変性への抑制効果がありますが、肉に多いオメガ6脂肪酸は危険因子になっています。

活性酸素を消去する作用を持つものには、抗酸化ビタミンA(βカロチン),ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチンなどがあります。また、亜鉛や銅なども活性酸素を分解する助けをします。オメガ3脂肪酸が多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの豊富な魚油の摂取を心掛け、オメガ6脂肪酸の多い肉食を多く摂らないようにしましょう。

1日20本以上吸う人は要注意!!危険因子の中で喫煙は最も重要で、1日に20本以上喫煙する人は喫煙しない人に比べ3倍程加齢黄斑変性になりやすいと言われています。

▼治療法

滲出型は病変が黄斑から離れていればレーザー治療で直接、病変部を治療します。黄斑にあれば抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)剤の硝子体注射を行ったり、特殊なレーザー治療である光力学的療法(photodynamic therapy;PDT)を行ったりします。

強度近視

日本人の近視の割合は多く、30~40%といわれています。軽度の近視は老眼年齢に達しても
裸眼で近くがよく見えるという利点があります。しかし、強度近視では、近視の程度が強くなればなるほど、視機能の低下に関係する病気が起きやすくなり、強度近視は失明原因の第5位になっています。

▼近視の程度

近視の程度分類は、軽度近視(-3D以下)、中等度近視(-3D~-6D)、強度近視(-6D~-10D)、最強度近視(-10D~-15D)、極度近視(-15D以上)となっています。-8D以上の近視では視機能を障害する病気が起きやすくなります。

▼強度近視に起きやすい病気

中高年に起こりやすい病気としては、白内障、緑内障や近視性黄斑症(近視性黄斑部萎縮、黄斑円孔、黄斑分離症、血管新生黄斑症)などがあります。この中で、緑内障や黄斑部委縮、黄斑円孔、黄斑分離症などは自覚しにくい特徴があります。 

左は黄斑萎縮の画像、右は黄斑出欠の画像

近視の進行には遺伝的なものと環境的な要因があります。-8.0D以上の近視では、視機能を低下させるような病気が発症しやすくなるので、近視の進行を抑えることは重要です。

現時点では近視の進行を完全に抑えることは難しいのですが、長時間続けて近業作業を無理にしないで、眼を適宜休めることが大切です。まだ、研究段階ですが、特殊な眼鏡(軸外焦点眼鏡)、夜間装着コンタクトレンズ(オルソケラトロジー)や薬物治療などが今後、期待されています。

▼治療法

黄斑円孔や黄斑分離症は硝子体手術で治療します。黄斑部の新生血管で起きる出血は抗VEGF薬剤の硝子体注射で新生血管を消褪させることができます。残念ながら黄斑部の網脈絡膜委縮病変は現状では治療することができません。

注意すべき眼の症状

急激な視力低下

→視神経疾患 網膜動脈閉塞症 網膜静脈閉塞症 硝子体出血

左は網膜動脈閉鎖症、右は網膜静脈閉鎖症

飛蚊症

外界には実際に存在しない、いろいろな形ものが動いて見える状態です。飛蚊症の原因は硝子体の中にある浮遊する混濁で、混濁が視力に大事な黄斑部網膜の近くにあると、自覚しやすくなります。飛蚊症はいろいろな原因で起こりますが、怖い病気の前兆の場合もあるので、早く眼科を受診することが大切です。

点状の濁りが多発
ぶどう膜炎
墨汁や煙のような濁り
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症による
硝子体出血網膜裂孔や網膜剥離の発症時
リング状の濁り
網膜裂孔 網膜剥離 後部硝子体剥離
左から、硝子体出血、網膜裂孔、網膜はく離の画像

何らかの原因で硝子体に「濁り」が生じ、浮遊物が見える。

左から点状・紐状、墨汁状、輪っか状の画像

様々な病気の原因で起きる症状について

症状 原因となりうる病気
光視症(こうししょう)
視野の中で光が瞬間的に走る。
網膜裂孔、網膜剥離、後部硝子体剥離、閃輝性暗点 
中心暗点
見ているものの中心が欠けて見えない。
歪視症(わいししょう)
視野の中心部分が歪んで見える。
視神経疾患、中心性脈絡網膜症、加齢黄斑変性

黄斑疾患
(中心性脈絡網膜症、加齢黄斑変性、黄斑上膜)
小視症(しょうししょう)
物が通常より小さく見える。
中心性脈絡網膜症
大視症(しょうししょう)
物が通常より大きく見える。
黄斑上膜
異物感
ゴロゴロ、チクチクするなど。
感染性角膜炎ドライアイ角膜結膜異物角膜結膜炎
流涙症(りゅうるいしょう)
涙が溢れるように出る。
ぶどう膜炎涙道通過障害角結膜疾患
視野異常
視野が狭くなったり、一部が見えないなど。
視神経疾患頭蓋内疾患網膜動脈・静脈閉塞症
網膜剥離
眼痛
ぐーっと押さえつけられたような痛みなど。
頭蓋内動脈瘤、ぶどう膜炎、緑内障発作、角膜障害(強い異物感)片頭痛群発頭痛眼精疲労(鈍痛)

眼には様々な病気が存在し、進行のスピードも様々です。自覚症状も現れないものあり、知らぬ間に、危険な状態になっているケースもあります。少しでも気になることがあれば、自分で判断せずに、まずは眼科医の相談を受けてみましょう。

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